鵺(ぬえ)
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能楽師 梅若基徳
Yorou
ストーリー
霊験あらたかな「養老の滝」を寿いだ物語。美濃の国に霊水が出るという噂をたしかめるため、勅使が遣わされます。滝の前にいる樵の親子に尋ねますと、この滝の水を父親が飲んでから大変元気になったというのです。
したがって滝を「養老の滝」と名づけたとも話します。勅使が感激していると、天上より光と共に音楽が聞こえ、山の神が現れ雄雄しく神舞を舞って見せるのでした。
解 説
この能は神能物ですが、クセ(癖じゃありません謡のパートです)がなかったり待謡がなかったり、前シテ、ツレも神体等の化身ではなかったりと、高砂に比べカジュアルな作りとなってます。しかし、その分親孝行物として神能物の中では解りやすい能だと思います。
今回は水波ノ伝という小書で常には出ない後ツレ(天女)が登場し舞を舞い、シテはその間に早変わり、その後シテの舞も緩急にとても富んだ舞を舞います。胸のスキッとする能です。