曲目

東北(とうぼく)

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Touboku

ストーリー

古名は「軒端梅」といい、梅の花を和泉式部の歌人としての華やかなイメージと重ねて描く、流麗な曲といえましょう。京の東北院を訪れた旅僧が、満開の梅に見とれていますと、若く美しい女が現れて、梅の由緒を語り、昔ここが上東門院(一条天皇の后)の御所であった頃、院に仕えていた和泉式部が植えた梅だといいます。

花陰に女が消えた後、僧が読経していますと、和泉式部の霊が生前の上臈姿で現れます。(院の父)藤原道長が関白であった頃、この門前を通られた折に贈った和歌の徳によって、死後の苦しみから逃れ歌舞の菩薩となったことを語り舞うのでした。

解 説

この能は和泉式部を主人公にしながら、彼女の華美で劇的な人生にはあえて全く触れずに、早春の梅の花と和歌の徳をからめて彼女が歌舞の菩薩になるといった三番目物(鬟物)の表現の特徴を、優雅にしかも淡々としながら、能の『幽玄の世界』を色濃くあらわしている名曲であるといえます。

古書にも「この能、幽玄の最上とす(中略)手品にて紛らわすことならぬ能なり」とあります(手品といってもマジックではなく小手先のごまかしということです)。まさに演者の力量が問われる曲と言えます。

それだけに『実力』がないと『形』だけになっちゃうんでしょうネ・・・

演じるものにとっておそろしい曲です。

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