善界(ぜがい)
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能楽師 梅若基徳
猩々乱(しょうじょうみだれ)
Shōjō
ストーリー
中国の揚子江の里に住む高風(ワキ)は霊夢により市に出で酒を売ると富貴の身となった。またいつも酒を飲みに来る者がいるのだが面色が変わらない不思議な者であったので名を尋ねると海中に住む猩々であるという。
高風は潯陽の江にて猩々(シテ)を待っていると海中より現れ酒を酌み交わし波に戯れ舞を舞い、高風の孝行を称え汲めども尽きる事のない酒壺を与えます。
解 説
この能は元は前後二場面であったようですが簡潔で解りやすく祝言性の高い曲です。普通は舞の部分が「中之舞」なのですが小書になりますと「乱」という特殊な舞になります。この場合曲名も「猩々乱」とか「乱」という表記に変わります。この「乱(みだれ)」という舞は波間に浮かみ出で波を蹴り、波の上をつま先で渡り歩いたりと、かなり特殊な舞であり視覚的にも楽しめます。また猩々とは中国の伝説の妖精です。