曲目

求塚(もとめづか)

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Motomezuka

ストーリー

攝津の国、生田の里を通りかかった旅の僧は、若菜を摘みに来た若い女たちと出会います。求塚の場所をたずねる僧に、女たちは答えようとせず、一心に若菜を摘んでいましたが、寒い風が吹いてきたので、いつの間にか一人の女だけを残して、去って行きます。

その女は僧を塚へと案内し、塚のいわれを語るのでした。昔、二人の若者から求愛された菟原処女(うないおとめ)は、どちらの若者を受け入れるか悩んだ末、生田の川へ身を投げ自らの命を断ちました。二人の若者もまた刺し違えて後を追います。

その罪により、女は死後も八大地獄で苦しむのでした。

解 説

この曲は内容があまりにも悲惨で写実的であるためなのか観世流では長い間『廃曲』になっていましたが、分家観世華雪等により複曲いたしました。二人の男から求婚された女は迷った末に「あの鳥を射落とした人と」と無理とも言える条件を二人に言うがなんと!二人とも鳥に当たってしまうんですねぇ・・・

困った女は入水自殺します。またそのことを後で知った二人の男は女の塚(墓石)の前で刺し違えて死んでしまいます。それだけならまだいいのですが「自殺」「二人の男の死」「的にした鳥」への罪がすべて女の責任となり『地獄の責め』を受けるという凄惨な物語です。

しかも僧に地獄の苦しみを見せる後半部分では顔は痩せこけ、僧に感謝するもつかの間、二人の男になおも両手を引っ張られ、的にした鳥には頭をつつかれ脳髄を食われ、鬼から逃げようと前に行けば「水責め」後ろに逃げれば「火責め」逃げ場がないので柱を持てば「火柱」になり、もうその後は大変です!

次から次へのまさに『地獄めぐり』・・・しかも僧に会って弔ってもらうも成仏も出来ず暗闇をさまよう・・・あ~もう嫌・・・勘弁して・・・「どうして?そんなに私が悪いの?」ヘビー過ぎますよねぇ。確かに廃曲になっていたのも判る気がします。

これを読んだ女性の皆さん!気をつけてくださいネ!これからはあまり男性に無理を言わず、優しくしてあげてくださいね。男性代表?として私からのお願いです。(笑) 

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