曲目

舎利(しゃり)

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Shari

ストーリー

仏舎利を拝みにきた美保関の僧は特別に拝観させてもらった「仏舎利」に感激の涙をしていると異様な男がどこからともなく近づき「仏舎利」の有難さを語ると一変して空もかき曇り稲妻響き「昔の足疾鬼の執心」と正体を明かすと「舎利殿」に上がり「仏舎利」を盗みとり、天井を蹴破って逃げていきます。(中入)

「舎利殿」に案内された能力に僧は泥棒扱いされますが事件を理解してくれ、守護神である韋駄天を呼び出してくれます。激しい追いかけ合いの末コテンパンにやっつけ無事に「仏舎利」を取り返します。

解 説

京都泉涌寺(せんにゅうじ)は天皇の菩提寺で舎利塔にある牙舎利は鎌倉時代に渡来したものだそうです。

(余談ですが私の父のお墓もここに分骨されてまして毎月お参りしています)

これは釈尊入滅の時「足疾鬼」が遺骨を盗み取ったのを韋駄天が取り返し日本に伝来したと「太平記」に記されています。

能はこの物語を再現しています。その舞台正面先に50センチほどにディフォルメされた「舎利殿」の作り物を踏みつぶす所作は遠近法も対比も無視した豪快さは痛快です(天井を蹴破りと言ってるのにミニチュア「舎利殿」を踏み潰す訳ですから・・)

後場では先程の舎利殿の一部であった「一畳台」が追い駆け合う二人の距離や能力の差を効果的に利用されます。シテは2回のバウンドで飛び越え、韋駄天は1回で飛び越えます(面をつけての跳躍は恐怖との闘いです)

お囃子事も変化があり、視覚的聴覚的にも大変変化があり面白い能です。

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