曲目

海 士(あま)

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Ama

ストーリー

藤原房前大臣は亡き母が海人(あま)であったと聞き、弔いのため讃岐・志度の浦を訪れる。通り掛かりの海人に母のことを尋ねると、死の詳細を詳しく語り始める。

それによると、昔、房前の父・淡海公(藤原不等)が龍神に奪われた宝珠を取り返してほしいと頼んだ海人こそが母であり、我が子を世継ぎにする約束と引き換えに危険を承知で竜宮に入り、乳の下を掻き切り奪い返した珠を押し込め持ち帰ったのである。海人は子の供養で龍女となり、喜びの舞を見せる。

解 説

この能は僕自身とても好きな曲です。何か親子の絆というか、そういうものをすごく感じます。母は子の為に命と引き換えに竜宮まで玉を取り返しに行き、子は母の為に都からはるばる四国まで追善に赴きます。

年月を経てようやく親子の情を交わし(現世と霊界という隔たりはありますが)、心からの供養を受けて母の霊は成仏し、龍女となって喜びの舞いを見せます。前段の「玉の段」はその玉取りのさまを仕方話で見せる変化に富んだ面白いところです。クツロギの小書がつくと後段の舞いの途中橋掛かりに行き、くつろぐ型をします。

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