曲目

通小町(かよいこまち)

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Kayoikomachi

ストーリー

京都の八瀬に住む僧の元へ毎日木の実などを届ける女がいるので不審に思い尋ねると、市原野に住む「小野小町」であることをほのめかして消え去っていきます。僧は市原野に行き小町の霊を弔っていると、回向を喜ぶ小町が現れます。しかしそこへ深草少将が土の中から現れ、小町一人の成仏を妨害しようとします。僧は少将が生前小町に恋し「百夜通い」をした有様を懺悔に見せるようにいいます。少将は九十九夜に及ぶ苦難を語ります。そして最後は二人共に成仏します。

解 説

題名から見ると小町が通ったように見えますが、「小町のもとに通った深草少将」です。しかし少将ほど可哀想な人はいませんね。小町の言うことを信じて通い、しかも九十九日目に正装までしたのに死んでしまうなんて・・・。なのに小町は曲中で「もとより我は白雲の(知らないわよ)」なんてヒドイじゃありません?そりゃ一人だけの成仏も妨害したくなりますよネ。でもそういう人だからこそ堪らなく好きになっちゃうんでしょうネ。余談ですが小町がツレとして出るのも、幽霊として出るのはこの曲だけです。

小書「雨夜之伝」では通常普通の「立廻」を雨の夜の中を悶々と通う姿を写実的に演じます。

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