合浦(かっぽ)
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能楽師 梅若基徳
Syakkyo
ストーリー
大江定基は出家し寂昭法師となり、中国の様々な仏蹟を巡り清涼山まで来ます。
その清涼山の石橋を渡ると文殊菩薩の住む浄土なのです。
しかし石橋は人の作ったものでなく自然と出来たもので、幅が30センチ程、長さ6メートル弱、苔が生え滑らかで谷の深さは2000メートル以上に及びとても危険な橋なのです。
渡るのを留まりしばらく待つと文殊菩薩の従える獅子が姿を見せ、牡丹に戯れ千秋万歳を寿ぎ舞い納めます。
解 説
「大獅子」の演出は、後半の獅子舞が、紅白の獅子の相舞になります。この「獅子」の舞は後の歌舞伎や舞踊の原点にもなっているものです。相舞ですが赤の獅子は機敏に早く、白の獅子は重厚に舞います。
白はゆっくりとした動きに見えますが、実際は高速で動いている独楽のように静止して見える手法です。獅子が舞う遥か先に文殊菩薩の存在を少しでも感じていただければ幸いでございます。