楊貴妃(ようきひ)
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能楽師 梅若基徳
Jinenkoji
ストーリー
都東山の雲居寺造営のため自然居士(シテ)が七日間の説法をしていると少女(子方)が両親の追善のため身を売って得た小袖を供えに来ます。聴衆も少女に同情し涙を流します。そこへ人商人(ワキ、ワキツレ)が現れ少女を連れ去ってしまいます。
それを見た居士は門前の者(アイ)の忠告も聞かず少女を救うべく説法を中止して大津まで追いかけます。そして船を引き留め、小袖を投げ返し少女を返すように懇願するが人商人は規則にて返さないと言い、居士も命を取られても船からは下りないと言い張る。人商人はやむなく承諾し代わりに居士に色々な舞を舞わせ、ついには少女を連れて無事都へ帰ります。
解 説
この能は、その後出来た夢幻能の対極にある昔の形態の能で世阿弥の父観阿弥の作です。観客も居士の聴衆のように巻き込み、中世の生き生きした会話の中から生まれる緊張感と芸尽くしが見どころです。