曲目

葛城(かづらき)

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Kazuraki

ストーリー

出羽の羽黒山の山伏(ワキ)が修行のため葛城山に到着すると大雪で、困り果てて木陰に立ち寄り休んでいるところへ里女(シテ)が現れ、吹雪の中を庵に案内します。女は焚き火をしてもてなし、山伏が後夜の勤めをはじめようとすると女は自分のためにも祈って欲しいと懇願します。

不思議に思った山伏は女に訊ねると、むかし役の行者に背きこの山の岩橋を架けなかった罪により、明王の索に身を縛められている葛城の神であるといい捨てて姿を隠します(中入)山伏が祈祷すると葛城の神が現れ、姿を恥じつつも大和舞を見せ、月下に見える雪の世界を描き出し、夜が明ける前にまた元の暗い岩戸の中に恥じて入って行きます。

解 説

この能は葛城山の月に照らされた静寂で神秘的な雪の世界を描き出し、神でさえも醜い姿を恥じ、呪縛に苦しむ姿がある所にこの能にしかない情緒があるかと思います。大和舞の小書により常は序之舞である舞が「大和舞」という特殊な神楽になります。

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