曲目

羽衣(はごろも)

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Hagoromo

ストーリー

駿河の国美保の浦の漁師白龍(ワキ)は漁から上がり、ふと上品な音楽と薫りに辺りを見ると、松に掛かった不思議な衣を見つけ持ち帰ろうとする。そこへ天人(シテ)が現れ、白龍を呼び止める。さては天人の羽衣と気付いた白龍は国の宝物にしようと思い、返さないと答えるが、天人の哀れさに天人の舞いを見せてくれるのなら返すと約束する。

しかし返すと舞いを見せずそのまま帰ってしまうのではないかと疑う。天人は「いや疑いは人間にあり、天に偽りなきものを」と言い、白龍は疑った事を恥じて衣を返した。(物着)羽衣を身につけた天人は月の世界では黒衣、白衣十五人ずつ入れ替わり舞う事により、月の満ち欠けがある舞いの事や、「東遊」の楽曲など様々な舞いを見せ、やがて富士山をも越えて天空へと消えていくのであった。

解 説

この能は今更解説することもない有名曲ですが、この曲の元になった各地にある「羽衣伝説」ではいずれも拾った男は衣を帰さず、やむなく天人は男の妻にされます。そして子供も出来て何年も経った後に男の隙を見て羽衣を取り返し、天上界へ帰ると言った物になっています。能の白龍の方が心も清く好感が持てます。

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