曲目

箙(えびら)

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Ebira

ストーリー

箙とは武具の一種で、矢を入れて腰に携帯するための物。「田村」「屋島」と共に勝修羅三番曲のひとつです。生田川へたどり着いた旅僧が、匂い立つような梅を見ている若者に出会います。

これを箙の梅と言うので、名付けのいわれをたずねますと、源平合戦の時に、源氏方の梶原源太景季が、箙に梅が枝を挿して目印とし、戦いに勝ったことによるものと答えます。そして、自分は景季の亡霊だと名乗り消え、再び若武者姿となって現れ、合戦での活躍のさまを見せるのでした。

解 説

この曲は、梶原源太景季は23歳の若武者で源平合戦のときに8人の敵に囲まれてしまったが見事にそれを打ち破った武勇伝があります。そのときの戦いの最中に兜を打ち落とされたので梅の枝を折って箙にさして味方への目印として戦った。戦いの中にも梅の花が散り舞い、香り漂う風情のある物語です。

『早春』の『青年』と『白梅』のさわやかな若々しさがこの曲の特色でしょう。しかし、その『ヒーロー』でさえも戦いをした者は『修羅道』の苦しみを受けなくてはならないというのが『仏の教え』であり、武勇伝だけでないそういった絡みが現在まで残る深いメッセージのある『能という演劇』なのでしょうネ。

また、装束では平家の公達が一重の薄く透けた洒落た単法被や長絹に大口という扮装に対し、源氏や勝修羅物の装束は金糸を織り込んだ厚手のインパクトのある二重の法被に同じく金糸を織り込んだ半切という扮装というのが対象的に両者の性格の違い、身の上を表しています。舞台でその効果の違いをお楽しみくださればと思います。

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