曲目

江口(えぐち)

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Eguchi

ストーリー

諸国一見の僧が天王寺参詣の途中に江口の里に立ち寄ります。西行法師がこの地で詠んだ「世の中を厭ふまでこそ難からめ仮の宿りを惜しむ君かな」を思い出し口ずさむと、里女が現れ、「宿を惜しんだのではなく、出家の身なので遊女の家にはお泊めしなかったのです。

「私はその時の女です」と言うと姿を消しました。僧が弔うとやがて月下に船遊びする遊女たちが現れ、十二因縁( 無明(因果道理を理解できない無知のこと)による、その無明から,行(縁に関わる力・行為)が生じ、行から,識(心作用・識別・意識)が生じ、

識から,名色(名は心、色は形という形態)が生じ、名色から,六処(眼・耳・鼻・舌・身・意たる六種の感覚器)が生じ、六処から,触(心が対象と接触し認識する)が生じ、触から,受(苦楽と感受するはたらき)が生じ、受から,愛(苦を厭い楽を渇望する妄執)が生じ、

愛から,取 (欲しいという執着)が生じ、取から,有(所有を欲する性格)が生じ、有から,生(生存性格を備えて生まれていること)が生じ、生から,老死(生老病死の苦悩を受ける・生死輪廻)が生じるというものです。)の輪廻流転を述べ、人間は六塵(色・声・香・味・触・法の六境。塵(ちり)のように人の心を汚すことからいう)や六欲

(異性に対して生ずる六つの欲。色欲・形貌欲・威儀姿態欲・語言音声欲・細滑欲・人相欲)に迷い、六根(眼・耳・鼻・舌・身・意)により罪を重ねるのですと説き、すべての迷いはこの仮の世に心をとめるからだと言うと遊女は普賢菩薩となり、舟は白象となり光を放ち西の空に消えて行くのでした。

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