曲目

木曽(きそ)

umewka.info

Kiso

ストーリー

木曽義仲(ツレ)は越中砺波山中に陣を構え,倶利伽羅谷に平家を追い落とす奇策を練っていました。偶然その地に源氏ゆかりの「八幡宮」を見つけます。そこへ戦勝祈願の『願書』を奉納することを考え、覚明(シテ)に書かせます。

『願書』を無事奉納し、覚明に門出の舞を舞わせて出陣の士気を高めますと吉兆の徴である山鳩が飛んで来ます。そして倶利伽羅谷に平家を追い落せたのも八幡神のご加護によるものであろうと感謝致します。

解 説

この曲は『三読物』と呼ばれ「安宅・勧進帳」「正尊・起請文」「木曽・願書」があります。中でも「木曽・願書」が一番難しいと言われております。「安宅・勧進帳」では白紙の巻物を白々しく読み上げ、「正尊・起請文」でも全くの嘘をこれも白々しく読み上げます。

どちらも前後の動きがドラマチックで役者の「演技」や「演出」も出来ますが、この「木曽・願書」はただひたすら心底から神への祈願であるためとても難しいとされております。(実際文章の言葉もお囃子の手組もなじみが少なく、「真っ直ぐ」に謡うのは大変でございます。)

また、現行曲では肝心の倶利伽羅谷に平家を追い落す場面がありませんが、以前は後半にあったそうです。観世流が明治時代にこの曲を「復曲」した際に後半部分が「能的でない」ということで省略されたと聞いております。(詳しい方教えてくださいませ)

しかしシンプルに神への祈願というのが強調されていて、これはこれで良いのではないかと個人的に思います。(でも以前の古演出も是非見たいですね)

記事URLをコピーしました