春日龍神（かすがりゅうじん）

Ksugaryujin

ストーリー

明恵上人（ワキ）が入唐渡天の志を持ち春日明神に暇乞いに詣でると老宮守（前シテ）が現れ上人の志を戒め、今ここ春日山こそ釈迦の説法した霊鷲山で天台山を拝みたければ比叡山に参ればよく、春日野こそ四諦を説いた鹿野苑であると語り、渡天を思いとどまるのなら釈迦の誕生から入滅まで見せようと言い捨てて消え失せた（中入）

すると春日の野山は金色の世界になり草木も仏体に見え、大地が震動して龍神（後シテ）が百千の眷属を引き連れ現れ、釈迦の誕生から入滅まで見せて入唐渡天を思いとどまらせ飛び去って行く。

解　説

この曲は春日神社の賛歌と海外留学をしなくてもまず日本にてしっかりしたことを学ぶ大切さを我々現代人にも言われているような気がします。

シテは通常一人で百千眷属を引き連れた壮大な場面を現しますが、宝生、金剛流に「龍神揃」、また観世流に「龍女之舞」などがあり臨場感を増してくれます。